お墓開き・入仏式・開眼供養・魂入れとは
初めてお墓を建立される方やお仏壇を購入された方からよく「お墓開き・開眼供養(かいげんくよう)・魂入れ・入魂式とは何ですか?どういう意味ですか?したほうが良いのですか?」と聞かれます。
今回はこれらの質問に答えていき、皆様の疑問の解消になればと思い書かせていただきます。
お墓とはどういう物か?
お墓ですが、これはご先祖様のご遺骨を土にかえす場所であり、ご先祖様の眠る場所であるので、お墓とはご先祖様の礼拝供養の対象物であります。
お墓が一般的に広がったのは、お仏壇と同じく室町時代末から江戸時代中期とされております。
日本人は昔からご遺骨を大切にする民族であります。これは日本人が「農耕定着民族」であり、農耕するには天地自然の恵みや先祖の恩寵が必要とされていたからだと思います。
それ故ご先祖の霊の宿る場として、目に見える浄土「お墓」を礼拝供養の対象としてその場にご遺骨を埋めてきたのです。
また現在よく建立されている一般的なお墓は、五輪塔を原型として作られております。五輪塔とは、森羅万象を形取った供養塔であり、人と仏が一体となった姿を表していると言われております。これは宇宙にある一切の物質は地水火風空の五大から構成されている密教の五大思想に基づいて作られております。
お墓開き・開眼供養・魂入れ・入魂式とはなにか?
これらはご本尊様や石柱に魂を宿らせるための儀式であります。魂を宿らせ礼拝の対象とし、その魂を宿らせた場所はご先祖様のご遺骨や位牌を安置する場所となります。
七五二年(天平勝宝4)四月九日、東大寺大仏の開眼供養を行ったのが最初であると言われております。それ以後、各寺院で行われるようになったと言われております。
また、お墓開き・開眼供養・魂入れ・入魂式は慶事いわゆる祝い事であり喜ばしい行事でありますので、一般的な法事とは用意するものなど違いがあるので注意しましょう。
また、浄土真宗では他の宗派と違い開眼法要を入仏法要(にゅうぶつほうよう)といい、お墓の引っ越しなどの際行う法要を遷座法要(せんざほうよう)といます。
これは、仏様を迎い入れて入って頂くため入仏をして仏様を迎えしたことを慶びお徳をたたえるので入仏法要と呼び、お仏壇など場所を移す際は遷座法要を行い魂を抜く入れるではなく移って頂くという宗教観がありますので、入仏法要・遷座法要を申し込む際は法要の名前を間違えないようにしましょう。
お墓開き・開眼供養・魂入れ・入魂式での服装
服装ですが、喪服を着てこられる方が多いです。これは基本的に喪服を着てくれば間違いがないので良いのですが、お墓開き・開眼供養・魂入れ・入魂式は慶事・御祝い事の法要になります。
ですので、男性は礼服に白ネクタイ、女性は礼服や落ち着いた色の洋服でよいと思います。参列者は、礼服または落ち着いた洋服を着てきましょう。
お寺によっては「私服でいいですよ」と伝えられる場合もありますので、親戚にお話しして合わせてくるのがいいと思います。
お墓開き・開眼供養・魂入れ・入魂式の宗派ごとによる違いなど
天台宗(てんだいしゅう)の場合
仏具一式、朱ロウソク(和ロウソクがよい)、紅白餅・赤飯・海の幸(乾燥昆布・わかめ等)山の幸・里の幸(乾燥シイタケや野菜・果物等)御神酒、お米、仏花(菊などが一般的とされていますが、季節ものを添えて頂くのが一番良いです)
お布施の値段:3万~10万円、ネット価格は3万円~6万円
お布施を入れる袋の種類
赤水引、水引の上にその意味(お布施・開眼御礼・開眼供養御礼)、水引の下にご自身の名前(フルネームまたは、〇〇家)を書きましょう。また、御車代・御膳料は真ん中より上に御車代・御膳料と書きお渡しください。(これらは無地の白封筒で)
数珠の持ち方
天台宗の数珠は薄い円形の珠で出来た平珠を人差し指と中指の間に数珠をかけ、手の中に数珠を包むようにかけます。
焼香の仕方
合唱礼拝をした後、右手の親指と人差し指と中指を使って御香を少量つまみ右手に左手を添えて額にいただき焼香します。これを三回繰り返したのち再度合唱礼拝を行います。
線香の立て方
本数は一本か三本です。立て方は一本の場合、高炉の中心へ。三本の場合は一本を高炉の中心へ他二本は一本目の少し後ろへ左右へと一本ずつ少し間隔をあけてさして下さい。
その他に地域によって違いがありますので、お寺様に聞いて頂くのが良いでしょう。
真言宗(しんごんしゅう)の場合
仏具一式、朱ロウソク(和ロウソクがよい)、紅白餅・赤飯・海の幸(乾燥昆布・わかめ等)山の幸・里の幸(乾燥シイタケや野菜・果物等)、御神酒、お米、仏花(菊などが一般的とされていますが、季節ものを添えて頂くのが一番良いです)
お布施の値段:3万~10万円、ネット価格は3万円~6万円
お布施を入れる袋の種類
赤水引、水引の上にその意味(お布施・開眼御礼・開眼供養御礼)、水引の下にご自身の名前(フルネームまたは、〇〇家)を書きましょう。また、御車代・御膳料は真ん中より上に御車代・御膳料と書きお渡しください。(これらは無地の白封筒で)
数珠の持ち方
真言宗の数珠を右手は中指、左手は人指し指に掛けます。房は手の中の内側に包むようにして合唱します。左右の中指に数珠を掛け、房を外に垂らす派もあります。
焼香の仕方
合唱礼拝をした後、右手の親指と人差し指と中指を使って御香を少量つまみ額にいただき焼香します。これを三回繰り返したのち再度合唱礼拝を行います。
線香の立て方
本数は三本です。一本を高炉の中心へ他二本は一本目の少し後ろへ左右へと一本ずつ少し間隔をあけてさして下さい。
その他に地域によって違いがありますので、お寺様に聞いて頂くのが良いでしょう。
浄土真宗(じょうどしんしゅう)の場合
浄土真宗では他の宗派と違い、魂を入れるのでは無く、仏様を迎え入れて入って頂く入仏法要を行います。
これは、仏様の魂を入れるなど仏様に対して失礼な行為である為、仏様を迎い入れて入って頂くため入仏法要と呼び、お仏壇など場所を移す際は遷座法要または御移徒(おわたまし)を行い魂を抜く入れるではなく移って頂くという宗教観がありますので、入仏法要・遷座法要・御移徒を申し込む際は法要の名前を間違えないようにしましょう。
仏具一式、朱ロウソク(和ロウソクがよい)、紅白餅・赤飯・海の幸(乾燥昆布・わかめ等)山の幸・里の幸(乾燥シイタケや野菜・果物等)御神酒、お米、仏花(菊などが一般的とされていますが、季節ものを添えて頂くのが一番良いです)
お布施の値段:3万~10万円、ネット価格は3万円~6万円
お布施を入れる袋の種類
赤水引、水引の上にその意味(お布施・入仏御礼・入仏法要御礼・御移徒礼)、水引の下にご自身の名前(フルネームまたは、〇〇家)を書きましょう。また、御車代・御膳料は真ん中より上に御車代・御膳料と書きお渡しください。(これらは無地の白封筒で)
数珠の持ち方
浄土真宗は数珠の数に決まりがないのが特徴ですので数珠は好きなものを選びましょう。
本願寺派は数珠を二重にして持ち房は小指の下に垂らします。
大谷派は数珠を二重に巻き合唱して両手に掛け房は親指の間から左手側に垂らします。
焼香の仕方
本願寺派の場合、合唱礼拝し右手の親指と人差し指と中指を使って御香を少量つまみ焼香します。そして再度合唱礼拝を行います。
大谷派の場合、合唱礼拝し右手の親指と人差し指と中指を使って御香を少量つまみ焼香します。これを二回繰り返し再度合唱礼拝を行います。
浄土真宗では額にいただく事はしないので注意しましょう。
線香の立て方
浄土真宗では線香は立てずに、一本の線香を二つか三つに折り火をつけたあと寝かせてお供えします。
その他に地域によって違いがありますので、お寺様に聞いて頂くのが良いでしょう。
臨済宗(りんざいしゅう)の場合
仏具一式、朱ロウソク(和ロウソクがよい)、紅白餅・赤飯・海の幸(乾燥昆布・わかめ等)山の幸・里の幸(乾燥シイタケや野菜・果物等)御神酒、お米、仏花(菊などが一般的とされていますが、季節ものを添えて頂くのが一番良いです)
お布施の値段:3万~10万円、ネット価格は3万円~6万円
お布施を入れる袋の種類
赤水引、水引の上にその意味(お布施・開眼御礼・開眼供養御礼)、水引の下にご自身の名前(フルネームまたは、〇〇家)を書きましょう。また、御車代・御膳料は真ん中より上に御車代・御膳料と書きお渡しください。(これらは無地の白封筒で)
数珠の持ち方
数珠の数は108個の物が基本であります。これを輪を二重に束ねて左手にかけて右手を添えるようにして合わせる、房は下に垂らしましょう。
焼香の仕方
合唱礼拝をした後、右手の親指と人差し指と中指を使って御香を少量つまみ焼香して再度合唱礼拝を行います。焼香は一回のみで額に頂く事はしないので注意しましょう。
線香の立て方
本数は一本です。線香に火をつけて高炉の真ん中に立てましょう。
その他に地域によって違いがありますので、お寺様に聞いて頂くのが良いでしょう。
曹洞宗(そうとうしゅう)の場合
仏具一式、朱ロウソク(和ロウソクがよい)、紅白餅・赤飯・海の幸(乾燥昆布・わかめ等)山の幸・里の幸(乾燥シイタケや野菜・果物等)御神酒、お米、仏花(菊などが一般的とされていますが、季節ものを添えて頂くのが一番良いです)
お布施の値段:3万~10万円、ネット価格は3万円~6万円
お布施を入れる袋の種類
赤水引、水引の上にその意味(お布施・開眼御礼・開眼供養御礼)、水引の下にご自身の名前(フルネームまたは、〇〇家)を書きましょう。また、御車代・御膳料は真ん中より上に御車代・御膳料と書きお渡しください。(これらは無地の白封筒で)
数珠の持ち方
数珠の数は108個の物が基本であります。これを輪を二重に束ねて左手にかけて右手を添えるようにして合わせる、房は下に垂らしましょう。
焼香の仕方
合唱礼拝をした後、右手の親指と人差し指と中指を使って御香を少量つまみ額に頂いてから焼香し、二回目は額に頂かず、同じように香をつまみ、そのまま焼香して再度合唱礼拝を行います。
線香の立て方
本数は三本で一本を高炉の中心へ他二本は一本目の少し後ろへ左右へと一本ずつ少し間隔をあけてさして下さい。
その他に地域によって違いがありますので、お寺様に聞いて頂くのが良いでしょう。
日蓮宗(にちれんしゅう)の場合
仏具一式、朱ロウソク(和ロウソクがよい)、紅白餅・赤飯・海の幸(乾燥昆布・わかめ等)山の幸・里の幸(乾燥シイタケや野菜・果物等)御神酒、お米、仏花(菊などが一般的とされていますが、季節ものを添えて頂くのが一番良いです)
お布施の値段:3万~10万円、ネット価格は3万円~6万円
お布施を入れる袋の種類
赤水引、水引の上にその意味(お布施・開眼御礼・開眼供養御礼)、水引の下にご自身の名前(フルネームまたは、〇〇家)を書きましょう。また、御車代・御膳料は真ん中より上に御車代・御膳料と書きお渡しください。(これらは無地の白封筒で)
数珠の持ち方
数珠は108個の菊房数珠が基本で、そこに2個の親玉と4個の四天王玉がつきます。持つときは数珠を8の字にねじって右手側に2本の房、左手側に3本の房がくるようにします。そして、数珠を包むようして持ちます。
焼香の仕方
合唱礼拝をした後、右手の親指と人差し指と中指を使って御香を少量つまみ焼香します。これを3回繰り返し再度合唱礼拝を行います。
線香の立て方
本数は三本で一本を高炉の中心へ他二本は一本目の少し後ろへ左右へと一本ずつ少し間隔をあけてさして下さい。
その他に地域によって違いがありますので、お寺様に聞いて頂くのが良いでしょう。
まとめ
今回はお墓開き・開眼供養・魂入れ・入魂式の説明、宗派ごとの違いを書かせて頂きました。お墓というものはご先祖様のお骨を納め、祈り、供養する場所です。お墓を開いたならばこれを建立した子孫は先祖代々守っていき、ご先祖様へお参りをしなければいけません。
年々お墓を持つ方が少なくなり、放置されるお墓も多くなってきております。ご先祖様の供養の大切さ、お墓を守っていくことの重要性を子孫へ伝える事を怠らず、しっかりと息子さんや娘さんへ引き継ぎして頂きたいものです。
お墓開き・入仏式・開眼供養・魂入れをお考えの方はよろしければ、涙そうそうをご利用ください。ご質問・費用などの見積もりも致します。